
給料もいいし、ブラックじゃなかったし、何で〜?って聞いたら「会社のビジョンに共感できなくなりました」って言うんです!
私からみたら、ただの贅沢病にしか思えないんですけどっ!
![]() ベテラン経営者「北野さん」 |
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IT企業社長歴17年目、17期連続黒字、無借金経営継続中。 中小企業の経営意識をなんとか変えて倒産をなくしたい!という気持ちが強すぎて、ついつい辛口(口が悪いだけ?)になる40代。ちょこざっぷがマイブーム。 |
![]() 保険屋のおじさん「とらさん」 |
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保険代理店のおじさん。前職は広告代理店の営業。 広告代理店時代に古き良き昭和の熱い経営マインドを刷り込まれ、プロジェクト予算管理を叩き込まれる。50歳を過ぎてから現金出納帳を書き始め、昨今の“ぬるい”企業体質に違和感を持っている。 |
![]() とりあえず起業してみた肩書だけの社長「愛(アイ)ちゃん」 |
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経営の「け」の字も知らずにWebの会社を起こして3年目。 経営の素朴な疑問をそのままにせずに、頼れる先輩たちから助言を得ながら、日々学んでいる勉強熱心な30代。 |



大企業に入るくらいの実力がある人なら、転職でも起業でもできるだろうし。
自分のキャリアプランが軸としてあるなら、それに合わないってわかった時点でスパッと辞めるのは正しい判断だよね。
決断は早い方がいいから間違ってないよ。


でも、それだけビジョンは大事ってこと。
大企業は真剣に将来のことを考えているからビジョンがはっきりしているよね
。人材定着のためだけにではなく株主の手前もあるから、しっかりとした事業計画やビジョンを打ち立てる必要があるのですよ。
でも、中小企業に限っては必ずしもそうじゃないように思えるな。
日銭を稼ぐことが精一杯で、中長期的なビジョンなんてないところが多い気がするよ。
まぁ、中小企業に入る人もその日暮らしって感じだから、どっちもどっちなんだけど。


WBCの日本代表とかその好例だよね。
それぞれが自分のやるべきことをわかっているから、監督はいちいちビジョンとか目標とか与えなくてもいい。
超エリート集団ってほっといても自己組織化するからね。成熟の極みだよ。

話は戻って、中小企業もビジョン必要ってことですか?

一代で会社潰すんならいらないかもしれないけど、長く存続させたいのであれば中小企業もビジョン打ち立てないと事業承継もできないよ。

私のお客さんって建設業が多いじゃないですか。
みんなある時期に頑張って会社興して、年月とともに少しずつ会社が大きくなっていって今は数十人規模ってパターンがほとんどなんですが、「俺、どうやって引退しようかな」ってみんな考えていますよ。
後継者をどうするかって問題だったり、いっそのことM&Aで売り切ってしまおうかって考えてもみたり……。

自分の引退がらみのアクションプランは、会社興した時から考えてなくちゃ!
そうしないと、年月かけて後継者も育てられないでしょ。
後継者いないって問題は、そもそも後継者を育てなかったってことの結果だからね!

みんなの顔浮かぶけど、本当にそう。
みんな目先のことに精一杯で……でも頑張るしかなくて。
その繰り返しで気付いたら会社は大きくなってったけど、「俺いなくなったらどうなるんだろう」ってなってる。
ああ、同情すらしてしまう!

そもそも中小企業の出口戦略って「M&A」「承継」「廃業」「倒産」のどれかしかないでしょ。
上場ってのもあるけど、それはかなりレアケースだから、大体この4つのうちのどれかだよね。


どちらにしてもビジョンがないときついよ。だってM&Aの場合は、「自社は買われるだけの価値があるよ!」って相手を説得できないと成立しないわけだし、そのためにはビジョンがないと厳しいよね。
将来性のない会社なんてどこも買ってくれないよ。
承継もそう。誰かに会社を託すんだから、想いやビジョンもセットじゃないと弱いよね。
事業を存続させたくて承継するんだから、ビジョンがないってのは論外だよ。

相変わらず痛いとこついてくるなぁ。


でも、「M&A」か「承継」だったら、「承継」にしてほしいなって希望があります、個人的には。
M&Aってどうも無責任って感じがして……。
売り切って終わりって、そりゃあんたはいいんだろうけど、苦楽を共にして一緒に会社を大きくしていった社員たちはどうなるんだ!って思っちゃうんですよね。

情も大事だけど、結局はビジネスだから。
M&Aの印象悪いってのも、個人的なものでしょ。M&Aもやり方次第だよ。
経営母体が変わるだけで、理念とかビジョンは存続させるM&Aもあるし。
社員はそのままって場合も珍しくないよ。だから、やっぱりビジョンは大事。
日頃から打ち立てておかないとね。
ところで、とらさんのお客さんも中小企業の社長ばっかりでしょ。
みんなどんな感じなの?

だから、自分が事業承継しているってパターンが多い。
スタートがそれだから、自分で会社を興した人たちとはちょっと事情が違うけど、みんな真面目に考えているみたいだよ。


どうやって会社にお金残そうかってみんな考えているよ。
社用車の洗車代ケチって自分で車洗ったり、社長でもタクシーは使わないで公共交通機関使ったり。
そういう社長は、先代もちゃんとしてたんじゃないかな。
親の背中を見ているから、二代目だからこそ地に足着いた行動を取るんだろうね。
高級車乗ったり派手に飲んだり食べたりするのって、一代で成り上がった社長ばっかりでしょ。


中小企業って、業種的に潰しが効かない場合があるじゃない?
例えばすごく特殊な部材をつくっている工場だったら社員が保有しているスキルも特殊だろうし、ニッチな商売だからもし廃業した場合は転職も厳しいだろうしね。
それに、家族がいる社員もいるから、なおさら路頭に迷わせるわけにはいかないよね。
それこそ、社員と社員の家族の命を預かっているくらいの覚悟が社長にはあるんじゃないかな。
だから、会社を長く続けることは大前提。
中長期的なビジョンは当然のようにあって、それよりもいかに発展させていくかってフェーズにいると思う。

全部の中小企業の社長がそれならいいんだけど。
俺の知っている社長にはひどい人もいるからさ。
人騙して薄っぺらい商売して、儲けるだけ儲けて、公私混同で贅沢してお金使い果たしてる。そんなで自分の代で会社潰しちゃうって人もいるんだから。
そんな会社に優秀な人が入ると思う?普通は入らないよね。
優秀な人はビジョンがしっかりしている大企業に行くって。ビジョンもへったくれもないその日暮らしの中小企業に入る人は、やっぱりその日暮らしの人なんだよ。
残念ながら、世の中そういう構図なの。
だから中小企業はいつも人材問題抱えているじゃん。
人が辞めていく、定着しない、って。
当たり前だよな。会社に問題があるんだから。

確かに、お客さんの会社はどこも採用問題に直面していますが、私もぼんやりと「それよりも、まず会社のビジョンをつくることが先決なんだよなぁ」って思ってましたもん!

どうせお前のことだから、ヘラヘラしてお客さんに話合わせているんだろ?
お客さんのことを本当に考えているんだったら、時には苦言も吐かないと。




まだ先の話だと思ってないで、今のうちから出口戦略は考えておかないとね。
じゃないと後継者も育てられないし。
自分も含めて人がどうなっていくかって話は常に隣り合わせだと思うよ。
続ける人もいれば突然辞める人もいるわけだから、いつでも立ち返ることができるような軸となるビジョンがないと、方向性がブレちゃうよね。
そもそも最初から会社にビジョンがあれば、それに共感したマッチした人材が入ってくるわけだから離職率も減ると思うんだけど。
だから、そういう意味でも本当にビジョンは大事だよね。



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