お金って借りた方がいいのかな。ほとんどの会社ってお金借りて回しているじゃないですか。お金借りている会社って銀行からの信用があるってことだから、逆に会社としてちゃんとしてそう。|
とりあえず起業してみた肩書だけの社長「愛（アイ）ちゃん」 |
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| 経営の「け」の字も知らずにWebの会社を起こして3年目。 起業1年目に「お金の管理の仕方」「クラウド会計ソフト」で大パニックを引き起こし北野さんに救われる。その時から無意識に刷り込まれている「常識」や「当たり前」を疑うようになり、疑問を先輩たちにぶつけまくる30代。 |
出た！ 奇跡的無能！ また何も考えずにイメージだけで行動しようとしているだろ！ それやめろって……危険だから。そもそもお金に困っているの？ 資金繰りやばいの？|
ベテラン経営者「北野さん」 |
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| IT企業社長歴17年目、17期連続黒字、無借金経営継続中。 中小企業の経営意識をなんとか変えて倒産をなくしたい！という気持ちが強すぎて、ついつい辛口（口が悪いだけ？）になる40代。ちょこざっぷがマイブーム。 |
そういうわけじゃないんですけど。借りる予定はないんですが、このままずっと借りないで経営続けるのもなんなので、借りる機会があれば借りようかな、と。。
北野さんの自慢が始まっちゃいそうだから代わりに俺が言うけど、北野さんの会社は18期連続無借金経営だよ！ 身近にそんなに素晴らしい先輩がいるんだから、そっちを見習えよ！|
保険屋のおじさん「とらさん」 |
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| 保険代理店のおじさん。上場まで経験した前職の広告代理店で、古き良き昭和の熱い経営を叩き込まれる。50歳を過ぎてからプライベートでも「現金出納帳」を書き始め、自身のコミュニティ「現金出納帳の会 師範」。 |
まぁ、愛ちゃんの疑問にも答えないとな。パイセンとして教えられることは教えるよ。確かに借りていい時はあるよ。でしょ！ どんな時ですか？まず、事業計画が先にありきだよ。達成したい事業があったとしたら、その事業計画を立てた時に必要な資金もわかるでしょ。で、手持ちの資金でなんとかなりそうならそれでやればいいんだけど、難しそうだったら借りるしかないよね。そういうことだよ。愛ちゃんの言っていることとスタートがそもそも違うの。「お金借りたい！どうすればいいの？」ってのがスタートではなくて、「やりたいことがある！資金が必要！自己資金だけではまかなえないから、借りるしかない！」ってのが道筋として正しい。
なるほど。達成したい事業が先にありきなんですね！やりたいこともないのに、無理に探さなくてもいいからね。（ドキ！ なんでわかったんだろう……）で、借りる先も銀行一択じゃないからね。資金調達にもいくつかの方法があるけれど、大きくはデットとエクイティの２つだね。でっと？ えくいてぃ？もしかして初めて聞いた？ じゃあ簡単に説明すると、デットとは銀行からの借入のこと。これがまぁ、一番よくあるパターンかな。デットって、英語で書くと「debt」つまり「借入」のこと。そのままだよね。そしてエクイティは、外部の企業やファンドから出資を受けてお金を調達すること。投資家から借りたりするのもそうだよ。でも、これは出資を受ける代わりに株式を渡さないといけないから、場合によっては買収されちゃう危険もあるよね。VCとかエンジェル投資家とかが日本でも認知されるようになってきたけど、一長一短だから気を付けないとだよ。
気を付けます！まぁ、投資家に狙われるくらい商売が繁盛してからの話だから、愛ちゃんはまだ心配しなくていいよ。失礼な！（ムカムカ）あ、それと補助金や助成金でまかなうって方法もあるね。これはとらさんが嫌う方法だからあまり提案したくないけど。補助金や助成金は返済義務がないから、まぁ、やりたいことに当てはまるものがあれば利用したほうがいいんじゃないかな。でも書類作ったり審査があったりして時間も手間もかかるから、手をつけるにはそれなりの覚悟も必要だよ。「でっと」と「えくいてぃ」、理解です！ ちなみに、クラウドファンディングもとかもそうですよね？お、よく気付いたね。そうだね。それもそうだね、あれこそ目的が先にありきの資金集めだよね。今は一億総SNS時代だから、クラウドファンディングは時流に合っているかもね。いずれにせよ、漠然と借りちゃダメってことだよ。家計を考えてみなよ。家を建てたいな、ってなった時にお金借りるじゃん。何も予定がないのに、ただ借りたりしないでしょ。ギャンブルとかで借りまくって、自己破産する人もいますけどね。そんなダメダメな人の話は無視です。あ、でも友人で去年慌ててお金を借りてた人いました！ それこそ、目的なんてないのにですよ！よく借りれたね。なんで借りたの？って聞きたいところだけど、その前にどうして借りれたの？ 目的もないのに？借りるために事業計画をでっちあげていました。書類だけは作成したみたいですよ。でも、その事業はでっちあげだから、実現してないんでしょ。どうやらやってなさそうですよ。だったらそれは詐欺だよ。ある目的のために借りたお金を他のことに使っちゃうのは犯罪だよ。ちなみにその人何業？ITですね。どうして借りたの？ 資金繰りがヤバかったの？おそらく……そうだと思います。言いにくいんですが、その友人、会社のお財布と個人のお財布が一緒になってて、会社のお金で個人の高価な買い物しまくってお金なくなっちゃったらしいんです。社員も数人いる会社なので、家賃とかお給料とか必要な経費がすっかりなくなっちゃって、年末に慌てて借りたっていう話なんです。ああ、中小企業あるあるだね。ついでに言うと、多分その時、使っちゃったお金をなんとか経費として計上しようとしたと思うんだよね。決算でお金が残ってないにしても、経費を使い込んじゃったよりは印象がいいからそうしたと思うよ。でも、それがバレるのも時間の問題だと思うな。あ、もしや税務調査ですね！そう。その通り。税務調査官をなめちゃいかんよ。プロの目は簡単にごまかせないからね。さすがに税務署は通らないと思うよ。きっと税務調査入った時にバレて追徴課税になるんじゃないかな。その時が本当の終わりだよね。せっかく銀行をだまして融資を受けて首をつないだのに、今度は追徴課税が払えなくて潰れると思うよ。ばかだよなぁ。税務調査って、大して儲かってない零細企業にもくるんですか？来るよ。少しでも儲かっていたら来るよ。若い税務調査官の練習台として小さい会社が選ばれているからね。それで、企業としては彼らにお土産を用意するっていうのがお決まりのパターンってわけさ。お土産？そう。彼らとしても手ぶらで帰るわけにはいかないから、企業としてもちょっとしたミスをわざとしておいて、意図的にそこを突かせるってわけ。ちょっとした申告漏れくらいでいいんだけどね。そうすれば追徴課税があったとしても少額で済むから。大人ってそんなことしてるんですね！ なんだかめんどくさいな。税務調査官は執拗だから、取るまで帰らない！みたいな感じに毎日くるからね。数日で終わる話じゃないから。俺たちの税金を使って企業の粗探ししてるんだよ。逆に面白そう。でも、役所だから成果主義ってわけでもなさそうだし、お土産なくてもお給料は入るんでしょ。だったらお土産なくてもいいじゃん。税務調査官は往々にして性格が悪いんだよ。儲かっている人をいじめるのが大好きな人種だから。根っからのドSだよね。ああ、半沢直樹に出てくる金融庁の人（※片岡愛之助さんが演じてた「黒崎」のことです）も病的だったからなぁ。キャラは面白かったけど。俺の友人がまさに税務調査官の被害者でさ。その友人はそれなりに成功しているITの社長なんだけど、俺からみても真面目に商売やって会社を成長させているからやましいところは何もないんだよね。でも、儲かっちゃってるから、税務署に目をつけられて、びっしり１ヶ月張り付かれたんだよ。会社に来て書類を調べるだけじゃなく、それこそ社外での行動もびっしり見られたって言うから探偵も顔負けだよね。夜飲みに行っても、近くのテーブルに税務調査官がしれっといるんだってさ。頭がおかしくなるよね。そいつはしばらく人間不信になっていたよ。儲かっている分だけ、経費の出費もたくさんあったんじゃないかな。それで接待交際費とかが疑われたんだろうね。ちゃんとビジネスに関係している飲食かどうかを確かめたかったってことなんだと思う。わからなくもないけど、やりすぎだよ。かわいそうだな。儲かると、そんなことにまでなっちゃうんだ。まぁ、それが日常なのが芸能人でしょ。常に張り込まれているんでしょ？ たまったもんじゃないよな。私たちは凡人でよかったって話ですよね。イケイケなIT社長でもなければ芸能人でもないし。俺は自分がイケイケのIT社長だと思っているけどな。税務調査も入ったことあるし。そうだったんですね！失礼しました！
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